初冬。氷見の海に、いよいよ真打登場。その名も”ブリ起し”と呼ばれる雷鳴にのって、ブリの群れが押し寄せる。
シケを避けて富山湾に入ってくる小魚を追って、ブリの群れが定置網に入るとか。
日本中がシケで不漁のなか、氷見だけが大漁ということも多く、その昔はブリの高値が豪気な”ブリ大尽”をつくり、近年もまた、豊漁続きに活気づいている。
氷見の浜をわかせるブリは、成長につれて呼び名が変わる出世魚。全国には百を超える呼び名があるといわれる。
富山湾沿岸では、モジャコ、ツバイソ、コズクラ、フクラギ、ガンド、ブリと変わるのが一般的で、体重10kgを超すものをブリと呼ぶ場合が多い。
たくましい魚体は、背が青緑色で、腹が銀白色。
その間に黄色の帯が通る美しい姿は、まさに横綱の風格だ。
(写真:寒鰤漁)